強豪国を破って、10月にリオデジャネイロ・パラリンピックの切符をつかむ。

 日本、英国、デンマーク、ニュージーランドの4カ国46選手らが見守る中、地元千葉県出身の羽賀理之(31)が高々と右手をあげた。

 「我々選手一同はスポーツマンシップにのっとり、正々堂々プレーすることを誓います」。同じく、英語でも宣誓し、最後に自身の名前の「MASA」と少し照れて言うと、会場の雰囲気が一気に和んだ。

 千葉市の熊谷俊人市長(37)は「千葉市は20年の東京五輪・パラリンピックに向けて、車いす競技に力を入れています。本大会が国内で開催されるウィルチェアーラグビーの最高峰の大会で、市民としても世界のトッププレーを間近で観戦でき、楽しみです」とあいさつした。

 これまで一部の自治体から、同競技を行う際に「体育館の床に傷が付く」との理由で利用を断られていたことがあったが、千葉市は昨年、同所に床の保護を目的に使う樹脂タイルを約2000万円かけて購入。県も東京五輪に向けた基本方針を公表し、「キャンプ地誘致への受け入れ体制の整備」を掲げている。

 日本代表は12年のロンドンパラリンピックで4位に入り、現在の世界ランキングは4位。今年10月には、リオ大会の出場権を争う「アジアオセアニアゾーン選手権」が同所で開催され、今大会には、世界ランキング5位の英国、6位デンマーク、8位ニュージーランドの強豪国を招き、全勝して10月の大会を迎えたい考えがある。

 ウィルチェアーラグビーは1977年にカナダで考案され、欧米で広く普及した。国内では97年から始まり、全国で9チームある。四肢に障害がある選手が1チーム4人で、バスケットボールのコートを利用する。バレーボールを改良したボールを持った選手が、車いすで相手側のゴールラインを突破すると得点になる。タックルも認められており、その激しさから欧米では「マーダーボール(殺人球技)」とも呼ばれている。

 同大会は24日まで行われる。