2020年東京五輪・パラリンピックのメーンスタジアムとなる新国立競技場の建設計画が見直されることについて、元オリンピック選手やラグビー関係者らからは17日、「見直しは当然」との声が上がり、当初計画に厳しい意見が相次いだ。

 「建設資金が莫大(ばくだい)で、見積もりもずさん。東日本大震災からの復興などほかに優先すべき課題がある。今の日本社会を鑑みると派手なものを造る必要はない」。こう憤るのはラグビー元日本代表の平尾剛さん(40)。

 現行計画を推し進める理由として、「ラグビーW杯に間に合わせるため」と言われると、心中穏やかではいられなかったという。「陸上トラックがある新国立競技場はラグビー場としては臨場感に欠ける。既存の施設を使えばいい」と指摘した。

 サッカーの元日本代表で、メキシコ五輪銅メダリストの釜本邦茂さん(71)は「計画見直しは当然だ」と話す。2520億円に膨れあがった総工費について「当初の予算から金額が上がりすぎだ」と批判し、「早く決めて早く工事にかからないといけない。こんなことをしていたら間に合わなくなってしまう」と危機感をあらわにした。

 スポーツコメンテーターでラグビー元日本代表の松尾雄治さん(61)は「新国立競技場ができる場所は、アスリートにとって思い入れのある土地。スポーツの歴史が感じられる建物にしてほしい」と注文をつけた。