元世界女王の娘が負けた。

 83年に中国代表で、全英オープン女子ダブルスで優勝した呉健秋さん(52=現荒木健秋)の次女で、西武台千葉(千葉)の荒木萌恵(17)、坂井朱里組が、八代白百合学園(熊本)の樋口奈津樹、泉映己子組に1-2で敗れた。

 1セット目を先取した荒木・坂井組は、2セット目では最大6点差まで開き、同点まで追いつくも、負けた。荒木は「2セット目が全てです。勢いのある時の波にのれず、最後勝てなかったことが敗因だと思います。高いモチベーションを保つことができませんでした」と振り返った。相手は荒木らの動きを見て、ドライブショットを前後に使い分けていた。

 失点が続くと、コーチとして入っていた健秋さんも「足、使って!!」「気持ち負けない!!」などと声を張った。健秋さんは、全英オープンのほか、85年の「ヨネックスオープン」では、シングルスでも優勝するなど国際的に活躍した。89年に日本へ移住。95年ごろ、日本国籍を取得し、荒木姓となった。長女の茜羽(あかね=18)は、七十七銀行(仙台市)バドミントン部に所属している。名前に「羽」が付いているのは、健秋さんが「バドミントンで活躍してほしい」との思いで名付けたという。

 荒木は10日、得意のシングルスに出場する。今年3月の「全国高校選抜大会」では、世界ランキング10位の山口茜(18=福井・勝山)にストレート勝ちした。