20年東京五輪・パラリンピック組織委員会は28日、都内で理事会を開き追加種目として5競技18種目を国際オリンピック委員会(IOC)に提案することを決めた。野球・ソフトボール、空手、スケートボード(ローラースポーツ)、スポーツクライミング、サーフィンの各競技。IOCが来年8月のリオデジャネイロ五輪前に開く総会で審議し、正式決定する。

 空手は過去、五輪正式競技入りに挑戦すること3回。いずれも涙をのんできたが、大きな1歩に都内の全日本空手道連盟は喜びに沸いた。世界空手連盟の奈蔵事務総長は「今日、ようやく(五輪への)扉が開かれた」と喜んだ。そんな中、昨年世界選手権女子68キロ超級の銅メダリストで社長秘書の美女選手、植草歩(23)は「東京五輪で金メダルを取って普通の女の子に戻ります」と宣言した。

 今年3月に帝京大を卒業。「伸び悩みでやめることも考えた」。おしゃれが趣味で、遊ぶことも大好き。普通の女子大生にもあこがれた。4月から所属の高栄警備保障に就職し、社長秘書に抜てきされた。午前7時に出社し、書類をそろえる毎日。午前10時に退社し、練習に励んでいた。その頃、東京五輪で採用されるかもという話が出て「二足のわらじを履いてみよう」と決意した。

 植草は空手の広告塔になり、ポスターにも登場。その美貌と実力で、一役買った。【吉松忠弘】

 ◆空手 沖縄発祥の日本の伝統武道。国際連盟には柔道とほぼ同数の約190カ国が加盟。東京五輪では、男女の組手3階級の6種目と、演舞の出来栄えを競う「形」の男女の2種目を合わせた計8種目を予定。14年世界選手権では、個人形で男女金メダル、組手では男子75キロ級で金メダルを獲得。