女子48キロ級でロンドン五輪銀メダルの三宅宏実(30=いちご)が、スナッチ85キロ、ジャーク108キロのトータル193キロで、06年以来9年ぶりとなる銅メダルを獲得した。昨年末に発症した腰痛を乗り越え、4大会連続となる五輪出場へ大きく前進した。

 三宅が世界の表彰台に返り咲いた。3位につけて迎えたジャークでは、最後の3回目に109キロに挑戦も失敗。2位にわずか1点及ばなかった。「ホッとしているのと、悔しい気持ちもある」。ロンドン五輪以来となる48キロ級での世界大会。結果を出せた喜びと、力が出し切れなかった悔しさ、両方をかみしめた。

 昨年のクリスマスの練習中、突然腰に激しい痛みが生じた。「くしゃみするだけでも響く」ほどで、1カ月間シャフトを触れなかった。この1年間は、初めて味わう腰の痛みに戸惑い、体をコントロールしながら調整してきた。今大会の1週間前にはロンドンで出した記録に迫る87キロ、110キロをマーク。父で、女子代表監督の義行氏(70)は「折れることなく、頑張ってきた。精神的に大きくなったと思います」とひと回り大きくなった娘に期待を寄せていた。

 リオデジャネイロ五輪の出場枠は、昨年と今年の世界選手権の国・地域別の得点を合計した順位によって決まる。今回の三宅の得点により、女子は4枠に大きく近づいた。日本協会は最上位の入賞選手を五輪代表とするなどの条件を定めており、三宅の4大会連続の五輪出場も、ほぼ確実だ。

 三宅は「今大会の選手たちが来年の(五輪の)メンバーなので、負けないよう体力づくりをしたい」と早くも五輪の戦いへ、気持ちを向けた。18日に30歳の誕生日を迎えたばかり。「まだまだ成長できるんだ」と新鮮な気持ちで、リオの表彰台を目指す。

 ◆重量挙げの五輪出場枠 昨年とことしの世界選手権2大会を対象に選手の成績を得点に換算し、国・地域別の順位に応じて出場枠を配分する。男子は上位6位までが6、7~12位は5、13~18位は4、19~24位は3枠を獲得。女子は上位9位までが4、10~16位が3、17~21位は2枠。日本協会は出場枠数に応じ、ことしの世界選手権入賞者で最上位の選手を代表とするなどの条件を定めている。