ラグビートップリーグのヤマハ発動機を指揮する清宮克幸監督(48)が中学、高校年代を対象とした“磐田市ラグビー部”の創設を進める決意を口にした。26日に同市・向陽中学校で「中学生の夢と親」をテーマに講演。「学校ごとではなく、地域で子どもたちを育てる部活動の地域化をやります。ここで成功すれば日本中が磐田市を注目し、日本の部活動が劇的に変わる」と力説した。

 部活動の地域化は2年前、清宮監督が川勝平太県知事に提言していた。今年9月17日の県総合教育会議で磐田市をモデルケースとして実施することが決定。同市は10月21日に県から正式な依頼を受けた。同監督は中学と高校年代の選手を対象にした市主導のラグビー部創設を念頭に置いている。

 磐田市は現在、部活動や指導教員の現状調査を進めている。少子化の影響もあって選手不足となった部活動や、教職員が専門外の運動部顧問となるケースなどを把握しようと調べている。同市役所の関係者は「ニーズなども考えて、今後対象競技を決めていきます。モデル事業なので、失敗できない」と襟を正した。

 清宮監督は「ラグビーとサッカーのトップチームがある磐田市はまれな町。スポーツを中心とした人づくりを世界に先駆けてやるべき。それが使命だ」と提言していた。【大野祥一】