五輪2連覇への試練なのか。12年ロンドン五輪覇者で8月の世界選手権を制した女子57キロ級の松本薫(ベネシード)が、よもやの敗戦を喫した。

 2回戦で13年世界女王のラファエラ・シルバ(ブラジル)と対峙(たいじ)すると、序盤から足技で攻勢に進めながら、「まったく頭になかった」という飛びつきの十字固めに対応できず。「一瞬の隙でした。しっかり克服しないと」とうつろな目で振り返った。

 世界選手権からの3カ月で目指したのは、「ベースは今までなんですけど、そこからは今までとは違う」柔道スタイルの確立だった。とどまっていては来年のリオデジャネイロ五輪での金メダルに届かないと、経験から分かっている。強さに甘んじず、変化を求めることがいまは必要。「力強さもあるし、組み手も相手が付いてこれない形もある」と練習では手応えがあるだけに、「先を恐れずに、受け止める」と表情を引き締めていた。