田中智美(28=第一生命)が小原怜(25=天満屋)とのデッドヒートを制し、日本人トップの2位でゴールした。タイムは2時間23分19秒。優勝はユニスジェプキルイ・キルワ(31=バーレーン)で、2連覇を果たした。タイムは2時間22分40秒。

 田中は30キロ過ぎでスパートして先頭集団から抜け出したキルワを単独で追走。37キロ手前で小原に追いつかれゴール直前まで並走したが、ラスト100メートルの直線のスプリントで小原を振り切り、1秒差で勝利。さいたまの日本人トップ吉田香織(ランナーズパルス)の2時間28分43秒を上回るタイムもマークし、代表入りへ前進した。

 代表は昨夏の世界選手権で日本勢最高の7位となった伊藤舞(大塚製薬)が内定。大阪国際女子を2時間22分17秒で制した福士加代子(ワコール)も代表入りが確実視されている。

 田中は「涙が出るほどの声援が力になった。絶対リオに行くという気持ちは誰にも負けないと思っていた。ここがゴールでなく、五輪へのスタートだと思っている。選ばれたらメダル目指して頑張りたい」と話した。

 野口みずき(37=シスメックス)は5キロ過ぎで先頭集団から脱落。2時間33分54秒の23位で、涙をこらえながら笑顔でゴール。「30キロ過ぎから応援がすごく、花道のようで笑顔でゴールできた。悔いの残らないレースができた」と話した。


日本人トップの2位でゴールする田中(撮影・今中雄樹)
日本人トップの2位でゴールする田中(撮影・今中雄樹)

3位でゴールする小原。手前は日本人トップの2位でゴールした田中(撮影・今中雄樹)
3位でゴールする小原。手前は日本人トップの2位でゴールした田中(撮影・今中雄樹)

ゴールし関係者に抱えられる木崎(撮影・今中雄樹)
ゴールし関係者に抱えられる木崎(撮影・今中雄樹)

ゴール直前、観客の声援に顔を覆う野口(撮影・今中雄樹)
ゴール直前、観客の声援に顔を覆う野口(撮影・今中雄樹)

※記録は速報値


35キロ〜ゴール

・残り100メートルの直線のスプリントで田中が先行。そのまま小原を振り切り、両手を広げて日本人トップの2位でゴール。タイムは2時間23分19秒。1秒差で敗れた小原はゴール後倒れ込む。優勝はキルワ

・41キロ通過。小原、田中の並走続く

・先頭のキルワが40キロ地点を2時間15分25秒で通過。2位争いの小原、田中は2時間16分9秒

・小原と田中が残り3キロを2時間13分14秒で通過。23分台の決着か?

・残り4キロを通過。小原が先行し田中が付く展開でゴールを目指す

・小原と田中が日本選手トップを争いデッドヒート。やや遅れた4位には清田

・37キロ手前で田中に小原が追いつきかわすが、田中もペースを上げ並走

・36キロ付近で小原が田中を追い上げる。木崎は1分以上遅れる


30キロ〜35キロ

・35キロを先頭のキルワが1時間58分39秒で通過。2位田中は14秒差。3位小原は25秒差

・33キロ過ぎの上り坂を過ぎ、2位の田中は先頭キルワと7〜8秒差

・先頭のキルワが33キロ地点通過。1キロのラップは3分11秒

・ペースが上がり、2時間22分30秒を切る可能性も。田中はキルワにやや離されたが必死に食らいつく

・31キロ地点、キルワが先頭、すぐ後ろに田中。やや離れて小原、さらに離れて木崎、岩出、清田

・キルワが一気にペースを上げる。田中、小原が追走。竹地、桑原はやや遅れる


25キロ〜30キロ

・30キロを先頭が1時間43分15秒で通過。ペースメーカーが外れる。野口は1時間48分23秒で通過

・モジェスが追いつき先頭集団は9人に

・先頭集団はキルワ、田中、木崎、小原、桑原、清田、岩出、竹地の8人

・先頭集団のジェプコエチが途中棄権


20キロ〜25キロ

・25キロを先頭が1時間25分6秒で通過。野口は1時間29分39秒で通過

・22キロ過ぎ、先頭集団の日本選手は木崎、小原、岩出、清田、竹地、桑原、田中

・中間地点を先頭が1時間11分46秒で通過


15キロ〜20キロ

・20キロを先頭が1時間8分3秒で通過。野口は1時間11分26秒

・17キロを過ぎ先頭集団はキルワ、小原、ジェプコエチ、木崎、岩出、田中、高田、桑原、モジェス、ダバ、清田ら


10キロ〜15キロ

・15キロを先頭が51分1秒で通過。先頭集団にはキルワ、木崎、田中、岩出、小原ら。野口は53分3秒で通過

・14キロ過ぎ、小原が集団先頭付近で積極的にレースを進める。加藤、早川が遅れ始める

・先頭集団はペースメーカー3人をのぞくと、20人弱


5キロ〜10キロ

・10キロを先頭が34分8秒で通過。キルワ、木崎、早川、田中、加藤、岩出、小原、沼田らが先頭集団。野口は34分49秒で通過

・7キロを過ぎ、野口は先頭集団と70メートルの差

・6キロを過ぎ、先頭集団から野口が脱落

・5キロを過ぎて野口が遅れ始める


スタート〜5キロ

・5キロを先頭が17分2秒で通過。2時間23〜24分ペース

・先頭集団は有力選手を含む26人ほど

・3キロを過ぎ、1キロのラップは3分29秒に落ちる

・先頭集団は平均ペースに落ち着く

・野口はやや重い走りか。先頭集団後方に位置している

・3人のペースメーカーが集団を引く。最初の1キロは3分21秒と早いペース

・天候・晴れ、湿度・36%、風速・0・2メートルのなか、2万人を超えるランナーが午前9時10分に運命のスタート



 ◆リオ切符の行方 枠は最大3。昨夏の世界選手権で日本勢最高の7位となった伊藤舞(大塚製薬)が内定。残り2枠を昨年11月のさいたま国際、1月の大阪国際、名古屋ウィメンズの出場者から選ぶ。各レース日本人上位3位以内が対象。日本陸連の設定記録2時間22分30秒を満たした1人を優先に、五輪で活躍できる選手を選ぶ。大阪で福士加代子(ワコール)が設定記録突破の2時間22分17秒で優勝しており代表確実。さいたまの日本人トップ吉田香織(ランナーズパルス)は2時間28分43秒とタイムが物足りないため、名古屋の日本人1位が吉田のタイムを抜けば、最後の1枠に収まる可能性が高い。


◆主な有力選手◆


No選手名年齢国・所属自己ベスト
キルワ31バーレーン2時間21分41秒
11野口みずき37シスメックス2・19・12・
12木崎 良子30ダイハツ2・23・34・
13早川 英里34TOTO2・25・31・
14田中 智美28第一生命2・26・5・
15加藤 麻美25パナソニック2・26・30・
16岩出 玲亜21ノーリツ2・27・21・
17小原  怜25天満屋1・09・17・
18沼田 未知26豊田自動織機1・09・27・

※小原、沼田はハーフマラソンの記録