連覇で「ただのでかいやつ」卒業だ! 体重無差別で争う柔道の全日本選手権は今日29日に開催される。リオデジャネイロ五輪男子100キロ超級代表最終選考会を兼ねる日本一決定戦を翌日に控えた28日に都内で会見があり、最有力の原沢久喜(23=日本中央競馬会)が「いろんな人に認知してもらえるために、記憶に残る記録は大切」と、2連覇へ意気盛んに語った。

 「2回勝ったら本物」。そう自認する。柔道が五輪の正式競技となった64年以降、連覇達成は6人。うち、9連覇の山下ら5人が五輪決勝の畳に上がった「本物」だ。昨年日本一に輝き、国際大会7連勝中と勢いに乗る原沢だが「まだ知られていない」と痛感。スーパー銭湯などでも「ただのでかいやつ、です」と現実は厳しい。柔道界はスター選手不在が現状。だからこそ「本物」になりたい。

 連覇は05年の鈴木を最後に10年以上ない。さらに今回はリオ五輪を争うライバルの七戸が追う。ただ「相手がはなから一本狙いにきてくれたらやりやすい」と自信はある。歴代のスターに並ぶ2連覇が「原沢時代」への号砲となる。【阿部健吾】