日本女子テニス界の新星が、五輪初出場に大きく前進した。世界71位の日比野菜緒(21=フリー)が、国際テニス連盟(ITF)からリオデジャネイロ五輪に推薦枠で出場を打診されていることが25日、分かった。決定すれば、日比野は五輪初出場となる。

 ITFから日本テニス協会(JTA)に先週、打診があり、JTAはすでに受諾する旨をITFに返信した。五輪出場権は、6日の世界ランキングで各国最大4人までの計56人が獲得している。日比野は、同ランクで出場権を得られなかったが、ITFが持つ6人の推薦枠の1人に指名された。

 日比野は昨年9月のタシケントでツアー初優勝。14年末の207位から、今年1月に自己最高56位まで約1年で急激に世界ランクを上げた。そのため、フェド杯などの日本代表選出回数で五輪出場資格を満たしていないが、JTAは短期間で急激に力をつけた選手を救うための例外規定を適用してほしいと、ITFに要望している。

 打診をしている以上、ITFが出場を認めることは確実。日比野は「五輪に出るのが夢」と話していたが、それが大きく現実に近づいた。30日に五輪代表の暫定リストがITFから発表される。

 ◆日比野菜緒(ひびの・なお)1994年(平6)11月28日、愛知・一宮市生まれ。10歳でテニスを始め09年全国中学単複準優勝。岡山学芸館高時代にオーストラリアへテニス留学。13年4月にプロ転向し昨年、タシケントでツアー初優勝。名前の菜緒は沢松奈生子さんから、兄の修造さんは松岡修造氏から取った。家族は両親、兄。163センチ、58キロ。