世界2位のアンディ・マリー(29=英国)が13年以来、地元聖地で2度目の優勝を飾った。同7位で、カナダ男子初の4大大会シングルス優勝を狙ったラオニッチ(カナダ)に6-4、7-6、7-6でストレート勝ち。今季の芝コートでの勝敗を12戦全勝とした。車いすテニス女子ダブルスで、上地結衣(22)組が3連覇を飾った。

 輝く金のトロフィーが、再び地元のヒーローの手にゆだねられた。英国男子として77年ぶりに優勝して以来、3年ぶり。「多くのタフな負けを味わってきただけに本当にうれしい」。珍しくマリーは号泣した。ラオニッチはこの日、今大会最速の時速237キロのサーブをマーク。しかし、マリーは世界最高のリターンで、今大会1試合平均22本のエースを打ってきたラオニッチのサーブを、8本のエースに抑え込んだ。自分のサービスゲームは1度も落とさず、スコアこそ競ったが、快勝だった。この勝利で、世界ランクは2位こそ変わらないが、年間獲得ポイントの合計が1万点の大台に乗る。王者ジョコビッチに迫り、1強と言われた時代に、マリーが“待った”をかける。【吉松忠弘】

 ◆アンディ・マリー 1987年5月15日、英スコットランド・ダンブレーン生まれ。05年にプロ転向し、06年にツアー初優勝。4大大会は12年全米で初制覇し、13年ウィンブルドンで英国男子77年ぶりの優勝。191センチ、84キロ。

 ◆WOWOW放送予定 11日午後6時~、車いすテニス、録画放送、WOWOWライブ。放送時間変更の場合あり。