「東の横綱」が初陣を迎える。全国高校ラグビー(大阪・花園ラグビー場)は30日に2回戦が行われる。流通経大柏(千葉)と対戦する前回大会準優勝の桐蔭学園(神奈川)は29日、神戸市内で最終調整した。

 神戸製鋼の灘浜グラウンドで、パス回しやタックル、ラインアウトからの攻撃や守備などを丁寧に確認した。22大会連続24度目の出場となる流通経大柏とは今年、初対戦となる。主将でNO8の山本龍亮(3年)は「やることはやった。気持ちが入っていて良い感じです。ここまできたら、相手がどこであろうとやることは変わらない。勝つだけです」と闘志を燃やした。

 今年のチームのテーマは先輩が築き上げた「桐蔭学園の名を全国にとどろかせよう」との思いを込めて「轟く」にした。スター選手はいないが、総合力でのチーム作りを目指し、FWとBKが一体となった連続攻撃を得意とする。

 同校は今月25日に関西入りし、順調に調整を重ねてきた。体調管理も万全で、練習以外には選手全員がマスクを着用する徹底ぶりだ。藤原秀之監督は「難しい試合が予想される。自分たちの強みを見失わずにやるだけ。圧倒して勝とうだとか、そういった色気は一切ない。(試合の)60分終わって、きっちりと勝てば良い」と冷静に話した。

 今大会は高校日本代表候補11人を擁し、「高校3冠」を狙う東福岡が1歩リードする中、桐蔭学園と前々回準優勝の御所実(奈良)が続く構図。5大会前は東福岡との決勝で引き分け、優勝を分け合った桐蔭学園。初の単独優勝を目指し、今年のチームテーマでもある、その名を全国にとどろかせることができるのか。東の横綱がついに始動する。