交渉は昨年9月に始まった。ドイツ代表は契約延長を求め、パリSGなどからは年数億円のオファーもあった。しかし、プレー経験もある日本への思いは強く「悩んだが、金の問題ではなかった」と話す。テロの脅威がある欧州ではなく、安全な日本に家族を住まわせたい思いもあった。

 まずは現在行われている日本リーグを視察し「ゼロから」代表選手を選考する。4月から合宿をし、7月に行われるドイツの強豪キールとの親善試合が初陣となる。「まずアジア3強、そして欧州以外での5強に入る。自信を持てば、欧州勢を倒すことができる」。名将の頭の中には3年後、東京五輪への青写真ができている。

 ◆ダグル・シグルドソン 1973年4月3日、アイスランド生まれ。バリー・レイキャビクでアイスランドリーグ優勝5回、ドイツを経て00年から3季、日本リーグの湧永製薬で活躍した。アイスランド代表として215試合397得点。監督としてはフクセ・ベルリンで欧州CL4強、ドイツ杯優勝、欧州杯優勝、ドイツ代表を率い16年欧州選手権優勝、リオデジャネイロ五輪3位。家族は夫人と子ども3人。