男子SPで、14年ソチ五輪金メダルの羽生結弦(22=ANA)が、97・04点で3位発進した。ミスはあったが、冒頭の4回転ループは自己最高の出来栄え点で演技構成点もトップと、2カ月ぶりの実戦で変わらぬ強さをみせた。米国の17歳ネーサン・チェンが国際スケート連盟(ISU)公認大会で史上3人目の100点超えとなる103・12点で首位。フリーは明日19日に行われる。

 この夜の主役はソチ五輪王者の羽生ではなかった。演技後の会見場で中央に座るのは、米国の若手チェン。羽生は「悔しい。この位置に座っている自分をふがいないと思う」と、静かに憤った。2本目の4回転サルコーがほどけて、2回転に。痛いミスで出遅れた。

 昨年12月のGPファイナルで4連覇を達成した直後に、インフルエンザを発症。その後の全日本選手権を欠場し、「また一からのスタートだった」。1月初めに日本から練習拠点のトロントに戻り、この4大陸選手権に向け、調子を上げてきた。「何ごともなく順調にいった」と体の故障もなく迎えた2カ月ぶりの実戦。「いいコンディションで、ここで滑れることが幸せ」と自信を持ってリンクに立った。