昨季世界王者で、ショートプログラム(SP)首位のネーサン・チェン(19=米国)が、フリーで今季世界1位の189・99点をマークし、合計280・57点で優勝した。

5種類の4回転ジャンプを武器に持つが、今回はルッツとトーループの2種類3本のみ。移民をテーマにした「Land Of All」を大きなミスなく、美しいスケーティングで滑りきり、満足そうに笑みを浮かべた。

この秋、米国の名門イエール大に進学。環境ががらっと変わった。これまで拠点にしていた西側のカリフォルニアから、大学がある東側のコネティカット州へと移り、1人暮らしを始めた。10月はじめ、ジャパン・オープンで来日した際には「スケートの練習のほかに、学業の時間も確保しなくてはなりません。テストもある。いろいろ試しながら模索しています」と新生活の大変さを語っていた。

現在は統計学を専攻し、ゆくゆくは医学の道に進もうと考えている頭脳派スケーター、チェン。試行錯誤の日々の中で掲げる今季の目標は「一貫性」。安定した演技で、滑りに磨きをかけていく。