28日に開幕するフィギュアスケートのグランプリ(GP)シリーズ第6戦、NHK杯(東京・国立代々木競技場)の女子に、両親が日本人の長洲未来(米国)が出場する。米カリフォルニア州で生まれ育った15歳が、主要国際大会で日本のリンクに立つのは初めてだ。

 第1戦のスケートアメリカでシニアの国際大会デビューを飾った。「順位よりも、自分らしくベストな滑りが目標」と話していたが、フリーはジャンプで転倒や回転不足が相次ぐ散々な内容。5位と不本意な結果に終わり、悔し涙を流した。

 27日の公式練習でもジャンプに課題を残した。身長が急激に伸びて150センチを超えた今季は「ジャンプの感覚にズレが出た」そうで修正に苦心。昨季終盤に右足首を痛めた影響もあるようだ。

 日本での知名度はまだ低いが、14歳でジュニアだった昨季、シニア勢を押しのけて全米選手権を制覇。米国での注目度は高まる一方だ。ウォン・コーチは「オフには何人もの振付師から“プログラムを作りたい”とメールがあった」と打ち明ける。

 来季のバンクーバー冬季五輪で日本勢の強敵となりうる存在に、長洲と初対戦の浅田真央(愛知・中京大中京高)も「刺激を受ける」と話す。ファイナル進出は厳しい状況だが、若き全米女王として存在感を示したいところだ。