<バドミントン:ヨネックス・オープン・ジャパン>◇5日目◇26日◇東京体育館

 北京五輪4位の末綱聡子(28=NEC・SKY)前田美順(23=同)の「スエマエ」ペアが、準決勝で世界ランク6位の金■貞、河貞恩(ともに韓国)組に2-1で逆転勝ちして決勝進出を決めた。同大会のファイナル進出は、90年の森久子、陣内貴美子組以来19年ぶり2度目の快挙。女子シングルスの広瀬栄理子(24=三洋電機)は、昨年の覇者である王儀涵(中国)に1-2で逆転負けを喫した。

 相手チームの打ち返したシャトルがアウトになった瞬間、まるで優勝したかのように末綱は両手を突き上げ、前田は観客席に頭を下げながら手を振った。準々決勝までストレート勝ちしてきた韓国ペアを、底無しのスタミナで撃破し、日本勢として19年ぶりのファイナル進出。35分で勝負を決めた前日の準々決勝とは打って変わり、1時間15分にも及ぶ長いラリーの応酬だった。

 「最終ゲーム中は、絶対、表彰台に立つことだけ考えてました」と前田。競り合いだった第1、2ゲームとは違い、5-4からの9連続得点で、一気に流れをつかんだ。所属チームの今井彰宏監督は、勝因に年明けに右ひざを手術した末綱の「けがの功名」を挙げた。末綱に合わせて2人は合宿や海外遠征を控え、基礎練習を重ねた。そのため3月まではほとんど大会に出ていないが、そこで1時間半近い試合でもバテない驚異の体力を培った。

 体調が万全ではないながら、精神的な強さを発揮した末綱は「北京五輪の時よりも相手を見る余裕が持てました」と振り返った。最高峰であるスーパーシリーズの大会で決勝に進出するのは、昨年のインドネシアOPに続いて2度目だが優勝は未経験。オグシオの解散も重圧には感じない。前田は「あと1試合。倒れてもいいので必死に動きます」と誓った。※■は日へんに文