夢のテニス道産子ペアが誕生する。札幌出身で約4年の米国留学から7月に帰国した内山靖崇(17)と、同じく札幌出身のベテランプロ鈴木貴男(33)が、来年6月末に札幌で開催される札幌国際オープンのダブルスで、初めてペアを組む。国際ジュニアランキング23位と伸び盛りの17歳と、日本をけん引する33歳という16歳差のコンビが、テニス界を盛り上げていく。

 日本テニス界を2人の道産子が沸かせる。札幌育ちの内山と、札幌出身の鈴木が来年6月、初めてペアを組む。7月に約4年の米国留学から帰国、東京を拠点に新たな高みを目指している内山は「本当に楽しみ。日程を合わせてぜひ実現したい」と胸躍らせた。

 内山が帰国後の拠点としているナショナルトレーニングセンターで練習を積むうち、同郷ということもあり鈴木との交流が深まった。19日には鈴木が札幌で毎年行っているクリスマスイベントに、初参加するまで親しくなった。自然と持ち上がってきたペア結成の話を、いよいよ来年の実現に向ける。鈴木は「一緒にプレーすることで何かを感じ、いろいろなことを経験していってもらえれば」とエールを送った。

 内山にとっては、新たなレベルアップの機会になる。ATPツアーで日本人2人目の優勝を果たした錦織圭(19=IMG)と同じ、米フロリダのテニスアカデミーに13歳から留学。身長183センチの恵まれた体を生かし、今年1月の全豪ジュニア選手権(メルボルン)男子ダブルスで準優勝。国際ジュニアランキングは08年4月の195位から、今年11月には自己最高20位(12月14日現在23位)まで上げた。現在は東京を拠点に2年後のプロ転向、その先にある12年ロンドン五輪を目指している。

 増田健太郎コーチ(38)が「長身からのサービス力、フォアハンドが強力でネットも取れる。日本代表としても非常に期待しています」と話すように、将来を嘱望される内山に訪れた、先輩からの絶好の誘い。「自分になにができるか、いろいろな経験を積み重ね、グランドスラムで上位を狙いたい」と誓いを立てた。郷土の先輩とともにプレーし、学び、今後へのプラスとしていく。【奥村晶治】