酒に酔って寝ていた教え子の女子柔道部員に乱暴して、準強姦(ごうかん)罪に問われたアテネ、北京両五輪の柔道金メダリスト内柴正人被告(34)の第2回公判が2日、東京地裁(鬼沢友直裁判長)で開かれた。この日は、女子柔道部員の証人尋問調書が読み上げられ、同被告が事件当日に別の女子部員とも性的関係を持っていたことが証言された。

 尋問調書によると、女子部員は事件当日、就寝中に無抵抗で乱暴され「被告がシーツで目を覆い、口の中に陰茎を入れてきた。その後は、後ろから挿入された」と説明。一時は、警察へ被害届を提出したが「(警察に対して)話すのがつらい」との理由で被害届を取り下げ、立件されなかったという。

 さらに、公判に関わっている女子部員は、事件翌日に同被告から口止め料として「5万円を渡された」と主張した。その際に女子部員が「大学をやめます」と言うと、被告が「やられたぐらいでやめるな。1年に1回は失敗しちゃうんだよな」と言ってきたという。

 証人尋問は、10月2~5日に熊本地裁で非公開で実施された。被告は「合意の上だった」と無罪を主張している。この日は被告に発言の機会はなく、終始神妙な面持ちで前を見据えていた。第3回公判は、26日に行われる。