暴力指導問題に揺れる全日本柔道連盟(全柔連)が五輪や世界選手権代表選考の透明化を目指し、今秋をめどに男女計14階級に国内ランキング制度を初めて導入することが25日、関係者の話で分かった。強化委員会がまとめた案は既に上村春樹会長の内諾を得ており、27日の臨時理事会で細部を詰める見通し。

 全柔連は暴力指導問題などを受けて発足した第三者委員会から、代表選考過程や監督人事の透明化を求められていた。ランクは代表選出の参考資料として扱われ、1位が自動的に代表となるわけではない。ある強化委員は「選考の可視化が第一の目的」と説明した。

 選手は国内外の主要大会でランクの基になるポイントを獲得する。大会はレベルに応じて4段階に分ける。出場試合数が異なる選手は、平均値で比較する。獲得したポイントは1年ごとに半減される。五輪金メダリストなどに勝てばボーナス点を加える案も出ている。国際連盟(IJF)は09年に世界ランキング制度を始め、五輪出場資格の決定などに利用している。

 男女の代表監督やコーチの選考法も明確化するという。「代表監督選考委員会」を新設し、新監督候補の人格、指導歴や語学力などを判断材料とし、候補者のプレゼンテーションを経て選ぶ方針で固まっている。