<高校ラグビー:佐賀工34-14札幌山の手>◇1回戦◇28日◇花園

 準優勝1回の名門、佐賀工(佐賀)が札幌山の手(南北海道)を下し21大会連続で初戦を突破した。相撲経験のある巨漢ロック栗丸大輝(2年)が、強烈な突破力を武器に6トライ中4本を決める活躍で貢献。約4カ月行った陸上競技トレや、部員20人を乗せ加重したスクラムマシンを押す特訓で養ったパワーを見せつけた。

 佐賀工伝統のFW戦の要、ロック栗丸が相撲ばりの強烈な“突き出し”で勝利に導いた。前半15分、ゴール前直前の右中間ラックから持ち出しトライを決めると、後半も押し込んだモールから、迫力ある突破で3トライを奪った。小2から中学まで相撲とラグビーを両立し、小6時にわんぱく相撲の県大会で準優勝に輝いたことがある。相撲で「前に出るスタイルが得意だった」というパワフルな突進で札幌山の手を粉砕した。

 アイデア練習でさらに進化を遂げたおかげだ。6月から佐賀市内を拠点にする、長距離専門の陸上競技クラブにFW、BK全員で入門。週2日、各自のレベルに合わせ作成された練習メニューで鍛えられた。栗丸は400、300メートルを組み込んだ20分間のインターバル走などをこなした。「試合ですぐにバテなくなった。走れるFWがたくさんいるのが一番大きい」と強みを口にした。

 それだけではない。部員20人を乗せたスクラムマシンをFW8人で押す猛特訓で破壊力を養った。鋼の“バトルランナー”と化した186センチ、97キロの巨体で勝利へ突き進む。【菊川光一】

 ◆栗丸大輝(くりまる・だいき)1998年(平10)3月4日、佐賀・唐津市生まれ。ラグビーは幼稚園から始める。小学時代は水球も経験。鏡小、鏡中を経て佐賀工。目標は東芝ロック大野均。186センチ、97キロ。家族は両親と姉3人、妹。