<大相撲初場所>◇13日目◇23日◇両国国技館

 大関稀勢の里(28=田子ノ浦)は、横綱白鵬(29=宮城野)の偉業を阻止することができなかった。

 結びの一番。目前に横綱日馬富士(30=伊勢ケ浜)が敗れたため、負ければ優勝が決まる。嫌が上でも高まる熱気。気合も入った。だが、立ち合った瞬間、一気に寄られた。俵に両足をかけて万事休す…と思った瞬間、右から小手を振った。両者、同時に倒れ込む。軍配は白鵬。物言いがついた。「もう一丁」コールが響く中で協議の結果、同体取り直しとなった。救われた思いがあった。

 しかし、生かせなかった。取り直しの一番では、左に動いた白鵬を押し込めない。1度は左のおっつけで崩しかけたが、そのとき右で張りに行った。これが失敗だった。上体が立ってしまい、横綱の両手がもろはず(両脇)に入った。なすすべなく押し倒された。

 悔しさと、自分への歯がゆさ、腹立たしさ…。支度部屋では無言を貫いた。「勝たなきゃ上が見えてこない」と話していた白鵬戦で、意地を見せることはできなかった。