無欲で金星!
目指せ勝ち越し!
大相撲春場所は明日9日、大阪・ボディメーカーコロシアムで始まる。7日は取組編成会議が開かれ、初めて上位陣と総当たりする東前頭筆頭の遠藤(23=追手風)は、初日に綱とりに挑む大関鶴竜(28)と、2日目は史上最速金星を目指して横綱日馬富士(29)と対決する。過去の例から、初の上位総当たり場所で勝ち越すには(1)前半戦の黒星は気にするな(2)平幕から貯金稼げ(3)横綱には無欲で挑め-の3ポイントが浮かび上がった。
一気に番付を駆け上がった遠藤が、いよいよ正念場の春を迎える。入門7場所目。初めて役力士と総当たりする場所で、初日は予想通り綱とりに挑む大関鶴竜と対戦。2日目は初の結びで初の横綱戦、日馬富士とぶつかる。勝てば史上最速金星になる。
特に鶴竜とは、先月26日から4日間稽古して計3勝63敗。力の差を見せつけられたが、悲観はしていない。この日、遠藤は先月24日の番付発表後では初の完全休養日で体を休めたが、前夜に出稽古の効果を話していた。「いい稽古をつけていただいた。いつもより仕上がりは違うと思う。(横綱、大関は)当たりのスピード、角度、パワー、すべてにおいて思っている以上だった。前もってやれて良かった」。肌で味わった感覚、経験のすべてを糧にする。
初めて横綱、大関陣とフル対戦する場所は、歴代の名力士も上位との力差の「壁」に苦しんだ。だが、試練を乗り越えた先輩からは、学ぶべき「勝ち越し3カ条」が浮かび上がる。
(1)前半戦の黒星は気にするな
小結から前頭3枚目前後の力士は、前半戦で横綱、大関と集中的に対戦する。遠藤と同じ入門7場所目で上位と総当たりした豊山(62年春、東前頭3枚目)は8日目まで3勝5敗も、最終的に9勝した。負けが先行しても気持ちを切らさないことが大事になる。
(2)平幕から貯金稼げ
その豊山は小結以上の役力士とは1勝5敗も、平幕には8勝1敗。格下相手に取りこぼさないことも必要だ。
(3)横綱には無欲で挑め
初の上位戦で、横綱から勝つのは至難の業。入門7場所目だった94年初場所4日目に曙を倒して最速金星を挙げた藤島親方(元大関武双山)は「負けるのが当たり前だと思っていけば、いい相撲になるかもしれない」と遠藤に期待をかけた。
さらに飛躍できるか、それとも苦戦するのか-。日本人ホープの新たな戦いが、幕を開ける。【木村有三】

