<北東北大学野球:富士大10-2八戸大>◇最終週最終日◇20日◇岩手・花巻球場

 富士大が、優勝に王手をかけている八戸大に7回コールドの10-2で大勝。8勝2敗で首位に並び、優勝争いをプレーオフに持ち込んだ。エース守安玲緒(4年=愛知・菊華)が7安打2失点で完投し、リーグ通算30勝に到達。逆王手をかけた26日のプレーオフ(ライジングサンスタジアム=岩手県野田村)も勝利し、逆転での3季連続優勝を誓った。

 ガッツポーズはない。最後の打者を併殺で仕留めると、守安は「勝って当然」と言わんばかりに、無表情で仲間とハイタッチした。「次を勝たないと意味がないので。まだ喜ぶわけにはいきません」。前日に続く2試合連続の完投勝利。優勝目前の八戸大に連勝し、逆王手をかけた。

 8月29日のノースアジア大戦でリーグ新記録の27勝を挙げ、この日で30勝の大台到達。就寝前にカップラーメンを食べるのが好きだが「大学に入ってから、試合前日は(食べるのを)控えたら結果がついてきた」と、験担ぎで白星を積み重ねてきた。昨秋の岩手大とのプレーオフでは、6安打完封で優勝に貢献。自身2度目となる26日のプレーオフでも“カップラーメン絶ち”して挑むつもりだ。

 この日は、4回に屋宮哲夫右翼手(3年=堀越)が「公式戦は人生初」と話すソロ本塁打を放つなど、打線も毎回の16安打で圧倒。6月の大学選手権で準優勝した底力を見せた。「このメンバーで野球ができる日を、どんどん延ばしたい」と守安。奇跡を起こしてみせる。【由本裕貴】