敗戦の中でも、日本ハム玉井の働きが際立っていた。ここまで16試合に投げて、防御率は1・02。今季のブルペンに必要な存在となっている理由が、この日のマウンドにも表れていた。

登板は8回。ビッグイニングになりかけた直前の攻撃が、杉谷の走塁ミスで終了していた。嫌な流れでマウンドに上がり、しかも先頭の外崎は、野手のミスで出塁した(三塁・近藤の送球が遅れて内野安打)。ここから金子侑、源田、秋山と足を警戒しなければいけない選手が続き、その後にクリーンアップが控える打順の巡り。盗塁をマークして外角の配球が中心となったが、それでも四球で崩れることもなく、一塁走者にスタートすら切らせず、地に足がついたマウンドさばきで3つの内野ゴロを重ねた。

栗山監督は今季、ショート・スターターを試している。救援陣には例年以上の負担がかかっているはずだが、連投もでき、それでいてボールの質も落ちない玉井がいることが、大胆に采配できる一つの要因でもあると思う。目立つ場面で投げているわけではない。それでも、チームが勝率5割前後で戦えているのは、玉井の存在によるところも大きい。(日刊スポーツ評論家)

日本ハム対西武 7回裏、2点本塁打を放った谷口を出迎える栗山監督(撮影・黒川智章)
日本ハム対西武 7回裏、2点本塁打を放った谷口を出迎える栗山監督(撮影・黒川智章)