中日対巨人 巨人3番手で登板し、9回を無失点に抑えた沢村(撮影・垰建太)
中日対巨人 巨人3番手で登板し、9回を無失点に抑えた沢村(撮影・垰建太)

巨人沢村拓一投手(31)が18日の中日7回戦(ナゴヤドーム)の9回に登板し、1回を無失点に抑えた。リリーフに再転向し、2試合連続で9回を任され、無失点投球。日刊スポーツ評論家の佐々木主浩氏(51)は、沢村にリラックスして臨む必要性を説いた。また、巨人ゲレーロに2ランを浴びた中日バッテリーには、相手の特長を考慮した配球を指南した。

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4点差の9回に、リリーフに再転向した沢村がマウンドに上がった。これまでは155キロが出ていても、力みまくったボール球も多かった。この試合は力でねじ伏せる配球ではあったが、そこまで力むことなく、いい感じで最速152キロの直球、そして140キロ台後半のフォークを投げることができていた。

走者は出したが、最後に投げる投手というのは、チームが勝てばいいのだ。仮に3点失ったとしても5-4で勝てばいい。沢村の能力は誰が見ても疑いようがないのだから「1点もやってはいけない」ではなく「勝てばいい」という気持ちで臨んでほしい。よりリラックスして自分の力を発揮できるだろう。

第2次原政権の15年に36セーブを挙げ、指揮官からの信頼も絶大だった。だからこそ近年、結果が出ていないことを原監督もはがゆく思っていたのではないか。こうやって2試合抑えで結果を残し、監督もうれしいだろうし沢村本人もホッとしていると思う。今後もいい精神状態でマウンドに上がれるだろう。

一方、ちょっと不思議だったのが中日先発柳のゲレーロへの配球。2回の2ランは内角低め直球を左翼席へ運ばれたものだった。ゲレーロがローボールヒッターなのは中日側も分かっているはず。捕手の加藤はなぜ低め直球を要求したのか。投手の長所を出してやるのは大事だが、相手の特長を無視してそればかり考えていると痛い目に遭う。今後の配球に生かしてほしい。(日刊スポーツ評論家)

中日対巨人 2回表巨人無死二塁、アレックス・ゲレーロ(右)に2点本塁打を浴び先制を許す柳(撮影・垰建太)
中日対巨人 2回表巨人無死二塁、アレックス・ゲレーロ(右)に2点本塁打を浴び先制を許す柳(撮影・垰建太)