阪神は持ち味のはずだった競った展開でも勝ちきれない状況に陥ってきた。これで交流戦の1点差ゲームに4敗目(2勝)を喫したことになる。
中西 まさかの6連敗だった。しかし裏を返せば当たり前のことを、当たり前にやっていれば勝ちを拾えた。それが出来なかったから負けたということがいえる。
8回の攻撃は、いかにもチグハグだった。無死一、三塁から三塁走者・木浪はホームを突けず。木浪の代走になった江越が、今度は糸原の投前へのゴロで三本間で挟殺。最後は2死から4番大山が中飛に倒れた。
中西 近本のゴロがあれだけ高く弾んだのだから木浪は突っ込まないといけない。木浪に判断が求められたプレーで、三塁コーチにも瞬時の指示が必要だった。また次に代走江越の場面は「ゴロゴー」だったが打球が飛んだ方向は最悪だった。糸原はピッチャーがいるゾーンを外したバッティングをしなくてはいけなかった。
梅野のソロで2点をリードした直後の5回は、原口、近本の連続エラーが絡んで同点にされる。先発高橋遥は7回2死一、二塁から、2番島内に投じた124球目を中前に運ばれて力尽きた。
中西 高橋が7回に勝ち越されたのは、5回にでた2つのエラーが引き金になったといえるだろう。あそこで味方がミスをしていなければ120球を超えてまでのピッチングになっていなかった。2つの失策でスリーアウトどころか、ファイブアウトをとらなくてはいけない計算になった。つまり阪神の勝負点につながる痛すぎるミスだった。【取材・構成=寺尾博和編集委員】