23日広島戦に先発し7回途中4失点だった藤浪晋太郎
23日広島戦に先発し7回途中4失点だった藤浪晋太郎

阪神藤浪晋太郎投手(26)が30日のヤクルト戦(神宮)で今季2度目の先発マウンドに上がる。前回登板の23日広島戦では、ピレラに満塁本塁打を浴び、7回途中4失点。その反省を生かし、2年ぶりの白星を狙う。

日刊スポーツ評論家の中西清起氏(58)は今季初勝利のカギとして2つのポイントを挙げた。

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藤浪の今季初登板をチェックしたが、及第点を与えられる投球で、次に期待できる内容だった。2月に春季キャンプのフォームを分析したが、リリースの時にもう少し手首を立てるべきだと指摘した。この点は改善されており、しっかりと指にボールがかかるようになっている。

前回の投球を踏まえ、今季初勝利へのポイントとして、2点挙げたい。1つ目は内角への球をいかに使えるか、だ。死球への不安があるのは分かる。「多投しろ」と言っているわけではない。内角球もある、と意識させるぐらいでいい。ベースの真ん中から、外しか使えないのではダメだ。コースの比率として、外角8割、内角2割の割合でもいい。使う場面と使う打者によって、より効果的になるケースがある。相手打線の主軸に投げるのもいいが、逆に、内角に3球続けて投げて凡退させるなど、下位打線で試すのもアリだろう。打者の左右は関係ない。村上ら左打者に対しては、直球でなくとも、小さなカットボールで内角に突っ込んでもいい。走者を背負った時や四球の後の内角球というのも非常に重要だ。

次の打者は絶対に配球を見ている。場面や打順によって、効果的に内角球を使うことで、2割しか投げていないのに、相手からすると、4割も投げられているという感覚に陥ることがある。内を意識させることで、変化球が仮に甘くなっても、打ち損じて凡打になる確率が上がる。

2つ目のポイントとしては、スライダーなど変化球を投げる際に、腕が緩むところにある。直球と同じような腕の振りができるか。これは意識次第で、修正できる。抜け球自体も少なくなっており、変化球の抜けなら気にする必要はない。

広島ピレラに満塁本塁打を許したが、私が投手コーチだったデビュー当時には、四球、四球、三振、三振で勝ってきた投手だ。紙一重のところがある。あの6回は三振狙いだったと思うが、それぐらいの気持ちでいけばいい。投球フォームが小さくなって、球を置きにいくようになると危険だ。

次戦は2つのポイントに注目したい。勝機はある。

23日広島戦の1回、鈴木誠也を遊撃併殺打に打ち取りグラブを叩く藤浪晋太郎
23日広島戦の1回、鈴木誠也を遊撃併殺打に打ち取りグラブを叩く藤浪晋太郎