日本ハム上沢に本来の投球が復活した。顕著だったのは、1点リードの6回1死二塁で迎えたジョーンズとの対戦。長打がある相手にフルカウントから安易にストライクゾーンに投げず、外角低めへしっかりと狙った。結果、四球にはなったが、さすがだなと感じた。

カウントが不利になっても、選んだ球種をしっかり投げるべきところに投げられる投手。ピンチでも持ち味を発揮できたから、7回1失点でまとめられた。

長打は1本だけ。ほぼフルスイングを許さず、人工芝での際どい打球処理も問題なくこなした。球数も今季初めて100球を超えた。いよいよカード初戦の火曜の先発として回ることを予感させる投球だった。火曜は上沢、金曜は有原で先発陣を引っ張らなければ、今年のペナントレースを制することは難しい。日本ハムが上位へ浮上する準備が整ってきた。

4番中田は効果的な2本塁打だった。特に際立ったのは7回の2本目。ここまでの日本ハムは、先制しても中盤で取るべき点を取れずに負ける試合があっただけに、一振りで仕留めたのは意味がある。例年以上に勝利に導く本塁打が多い。あらためて4番は試合を決められる打順だなと感じた2発だった。(日刊スポーツ評論家、侍ジャパン投手コーチ)