千賀は少しずつだが、ようやく「らしさ」が戻ってきた。直球が力強く走っていて、フォークで空振りが取れたのが好投の要因だ。

前々回登板の8月25日オリックス戦(ペイペイドーム)で、これまでと違う姿を感じていた。先発7回無失点でオリックス山本との投げ合いに勝った試合。個人的な感覚だが、フォームが良くなっていた。体の回転が俗にいう「タテ回転」になっていた。カーブが切れていたし、直球のキレも良くなっていた。一番の武器であるフォークボールが特に良くなっていた。

これまでは直球、フォークボールが良くないから、カットボールに頼りがちだったが、その登板からフォークが「お化け」になっていた。これまでは抜けたりしていて空振りが取れなかったが、この日もそうだが、とんでもないワンバウンドでも空振りが取れるようになってきた。

まだまだ「本来の姿」ではないが、7回のピンチを乗り切って8回まで無失点で投げられたのも調子が上がっている証拠だろう。これからも、さらに良くなることが期待できる。(日刊スポーツ評論家)