今のロッテ打線には大きな期待はできない。投手陣が踏ん張って抑えつつ、限られたチャンスをものにするしかない。それがCS進出を目指したロッテの現実的な戦い方になる。

その根拠として、打線がいかに消極的か、この試合のファーストストライクへの対応に表れている。試合が決まった6回まで、26打者のうちファーストストライクをスイングしたのは8人しかいない。

さらに、打者の振り遅れが目立つ。バッティングカウントでのファウルは、ほとんどが反対方向。打者有利のカウントで、この振り遅れは非常に気になる。こうしたところが、チーム打率がリーグ最下位の要因だと推測できる。

この試合は東浜のタイトルがかかっており、いわば東浜へのプレゼントゲームという位置付けだった。その中で、前半の東浜はどんどんストライク先行。そのストライクに対応できないというのは、個の力が足りていないことを意味している。

結局、東浜が中盤から中5日の疲労からか四球を連発して崩れた、いわゆる自滅のゲーム。つまり、ロッテは相手次第の戦い方に終始しており、それが後手後手に回る印象につながっている。残り3試合で西武とCS進出をかける。厳しい戦いを強いられるだろうが、攻撃面では自分たちから攻める姿勢をもっと見せてほしい。(日刊スポーツ評論家)