阪神はうまくいきすぎてなんだか怖いですね。雨天中止もチーム状態が良いから影響は少ない。ここまで先発、リリーフとも機能しているのは「9回打ち切り」のルールが戦いやすくしているからでしょう。

16日のヤクルト戦も、藤浪が自ら放った2点本塁打だけで逃げ切ってしまうんですから。うまく勝ったとしか言いようがない。逆にあれだけ打者の近めに投げられても、“おとなしい”ヤクルトの戦いも気になりました。

でも阪神は勝ちまくっているようで、すぐ後ろに巨人が迫ってきました。この日のDeNA戦も大勝し、2・5ゲーム差に縮められた。あれだけ主力を欠いてもV争いに絡んでくるのは、原監督のやりくりと地力でしょう。

20日からの対巨人、DeNAの6連戦は、今まで通りにはいきません。いよいよ両チームとも外国人を含めて主力メンバーがそろってくる。投打にバランスが取れている阪神だけに、ガチンコ勝負で強さを見せつけたいですね。

近本はまだバットで“あおっている”感じがします。もう少し角度良くバットが入っていくようになれば、調子を取り戻すでしょう。大山はバットのヘッドが走らずスイングが波打っている。こちらは修正にちょっと時間がかかるかもしれません。

開幕から約1カ月がたって大事なのは、スキを見せないことです。たとえばこれまでも、外野手の無駄な送球などが目についた。勝ってるうちは目立たないが、これから一瞬のスキを突かれるプレーが勝敗に響きます。

また、若いチームだけに試合に慣れだすこの時期はより体の手入れを怠らないことです。緊張感あふれたプレーで、首位固めに挑戦してほしいですね。

(日刊スポーツ評論家)