8回表阪神2死一、二塁、三振に終わる佐藤輝(撮影・黒川智章)
8回表阪神2死一、二塁、三振に終わる佐藤輝(撮影・黒川智章)

阪神佐藤輝明はプロ初の4三振を喫したが、打てない球を打とうとして、打てる球まで打てなくなっていた。もちろん先発上沢らの投球が素晴らしかったからだが、課題のインコースに意識がいき過ぎてか、いろんな全部の球を狙おうとしているように映った。難しいコース、打てないボール球を何とかしようと追いかけ過ぎて、結果として本来なら打てるコース、甘いストライクまで空振りしていた。

2月の沖縄・宜野座キャンプを見てスゴいと思ったのは、インコースに来た球やボール球は知らん顔をして、打てるところ、ストライクをしっかり打ち返していたことだ。プロに入ったばかりの新人で、なかなかできることじゃない。並の選手じゃないと思った。でも今の姿を見ると、並の打者になってしまっている。

スイング自体は変わらすしっかり振っているので、相手投手には相当プレッシャーをかけている。これは打者として最大の武器、長所で、結果としての両リーグ断トツの82三振は仕方がない。相手に研究されても15本も本塁打を打っているのだから、フルスイングのスタイルを変える必要は全くない。結論はシンプルで、打てないボール球はしっかり見極め、ストライクを打つこと。それに尽きる。(日刊スポーツ評論家)

6回表阪神1死、佐藤輝はアウトハイのボールに空振り三振(撮影・佐藤翔太)
6回表阪神1死、佐藤輝はアウトハイのボールに空振り三振(撮影・佐藤翔太)