リーグ戦が再開した一戦は、なんと緊迫感を欠いたゲームだったことだろうか。セ・リーグの1位、2位の直接対決なのだから、もうちょっとピリッとした試合にしてほしかった。

阪神は西勇が初回を乗り切ったのが大きい。サンズがチャンスに強いところを発揮したが、各選手が自信を持って戦っているようにみえるし、それが毎試合、誰かが打つといった現象に表れている。

一方巨人は、2、3回だけで7失点はいただけない。2回に梅野の三ゴロを岡本和がさばけなかったのも痛い。またメルセデスのピンチにもろい面が投球にでたのも含めて、バッテリーの配球は疑問だった。

サンズに5打点を稼がれたが、近本に完璧に打たれるなど、それ以外の場面でも巨人捕手の大城はピンチになるとリードが弱い。つまりこの試合だけではなく、追い込まれるとかわしにかかるのが目立っている。

サンズに満塁本塁打を許した3回も、あそこを防ぎにかかるリリーフの人選は正しかったのか。わたしは継投ミスと言わざるを得なかった。この一戦だけをみる限り、淡々と戦っているようにもみえる巨人の反撃は厳しいのではと思ってしまった。

まだ折り返し地点にもきていないとはいえ、どこかのチームが阪神を追いかけてくる。それが巨人か、あるいは打線に迫力のでてきたヤクルトなのか…。五輪ブレークに入るまでの戦況に注目したい。（日刊スポーツ評論家）