阪神が3連敗を喫し、浮上の兆しが見えない。延長10回、ソトに右翼ポール際へサヨナラ被弾を浴びた。球団ワースト記録を更新する開幕からビジター11連敗となり、今季最多の借金15に膨れた。最短で29日巨人戦(東京ドーム)で、自力優勝の可能性が消滅する危機を迎えた。日刊スポーツ評論家の大石大二郎氏(63)は機能しない打順の組み替えを提言した。

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阪神が得点力を上げるにはオーダーを組み替えるべきだろう。特に3番に入っている近本の打撃をみていると、いかにも座り心地が悪そうだ。今季7試合目の3番起用だったが無安打に終わっている。

6回無死一塁で東のカットボールに空振り三振を喫した。8回2死一、二塁の場面はエスコバーのツーシームに投ゴロ。いずれも近本らしからぬ内容が続いているから打順を替えたほうがいい。

それに佐藤輝を2番に据える意図はいまだに分からない。1番中野の出塁率が高ければいいが、チーム内でもっとも調子を保っているのは佐藤輝だから2番はもったいないし適任とは思えない。

個人的にもっとも勝負強い打者は3番に置くべきと思っている。つまりチームの現状を考えた際に、近本を1番に戻し、2番中野、3番佐藤輝の並びのほうが得点力は上がってくるはずだ。

また阪神ベンチがどうしても佐藤輝の2番に固執したいのなら、ピッチャーを8番、糸原ら野手を9番に据えたい。とにかく佐藤輝の前に走者がたまったシチュエーションを作りたいものだ。

DeNA先発の東を打ち崩せなかったが、なにも細かい制球力が際立ったわけでもなかった。各打者が狙った甘い球を仕留められていない。ピッチャーが落ち着いてきただけに、打線の組み替えに活路を見いだしたい。(日刊スポーツ評論家)