巨人が今季初の東京ドームでの同一カード3連敗を喫した。首位阪神とは11ゲーム差で、今季の対阪神の勝ち越しは消滅し、7月27日以来14日ぶりの借金1となった。

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首位阪神を相手に、巨人は3連敗。すでに逆転優勝を狙える状況ではなくなっていたが、それにしても負け方が悪すぎる。まだ2位広島には追いつく可能性があるし、DeNAとの3位争いは激しくなるのに…。ダメージの大きな敗戦になった。

1点をリードした7回表だった。無死一、三塁のピンチ。ここから戸郷が一塁にけん制球を投げたが、一塁の中田翔がグラブに当ててはじいてしまった。三塁から島田が同点のホームイン。これで収まればよかったが、2死一塁から近本に2ランを浴びた。

一塁守備に定評がある中田翔が、なぜ何でもないけん制球を捕れなかったのか? もちろん許されない痛恨のミスだが、どうしてこのような単純ミスが起こったのかを、状況を振り返りながら解説してみたい。

内野の守備陣形は一塁と三塁がバックホームで、二遊間が併殺狙い。三塁走者は代走の俊足・島田で、一塁走者は梅野だった。中田翔の守備体勢は、バックホームに備えて正面を向いて構えていた。

盗塁への警戒を優先するなら、中田翔は右足を一塁付近に置いて体を半身にし、グラブと左足は投手の方に向けた姿勢で守る。本塁に対して正面を向いて構えたのは、盗塁の確率が低く、打球に備えることを優先させたため。ベンチの指示だったと思う。打者は左打者の木浪で、一塁へ引っ張れば強い打球がくる。セオリー通りの備えだった。

どういう打球がくるかによって、臨機応変に対処しなければいけない状況。考えることはたくさんあった。中田翔の意識は打球処理でいっぱいになっていたのだろう。だからけん制に対して意表を突かれたような動きになって、反応が遅れてしまった。

逆転優勝は厳しいが、まだ3位争いはあるし、戸郷は最多勝を争っている。ボーンヘッドのように見えるが、むしろ集中して動きが硬くなり、視野が狭くなってしまったのがミスの原因だと思う。

ただ、やってはいけないミスに変わりはない。それでも大事なのは、同じミスを続けないこと。CSの出場権を確保すれば、日本シリーズ出場で日本一を狙うチャンスだってある。最後まで諦めず、気持ちを切り替えて戦ってほしい。(日刊スポーツ評論家)

巨人対阪神 8回裏巨人1死一、三塁、空振り三振に倒れがっくりひざをつく中田翔(撮影・浅見桂子)
巨人対阪神 8回裏巨人1死一、三塁、空振り三振に倒れがっくりひざをつく中田翔(撮影・浅見桂子)
巨人対阪神 7回表阪神無死一、三塁、戸郷のけん制球を後逸する一塁手中田翔(右)。一塁走者梅野(撮影・滝沢徹郎)
巨人対阪神 7回表阪神無死一、三塁、戸郷のけん制球を後逸する一塁手中田翔(右)。一塁走者梅野(撮影・滝沢徹郎)
巨人対阪神 8回裏巨人1死一、三塁、中田翔(後方)から空振り三振を奪った加治屋(撮影・滝沢徹郎)
巨人対阪神 8回裏巨人1死一、三塁、中田翔(後方)から空振り三振を奪った加治屋(撮影・滝沢徹郎)
巨人対阪神 回裏巨人1死一、三塁、中田翔は空振り三振に倒れる。投手加治屋(撮影・滝沢徹郎)
巨人対阪神 回裏巨人1死一、三塁、中田翔は空振り三振に倒れる。投手加治屋(撮影・滝沢徹郎)