阪神が逆転勝ちで2連勝を飾り、優勝マジックを1つ減らして「17」とした。

2位広島とのゲーム差は6・5のまま。2カードぶりの勝ち越しで、チームの貯金は27に膨らんだ。

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阪神が1点差で逃げ切ったヤクルト戦は、デーゲームで広島が勝利を収めた後のナイトゲームだった。もし敗れていれば、再びマジックは消滅していた。

吉田 わたしもいろいろ経験してきたが、岡田は広島が勝った、負けたなんて全く気にしてないと思いますよ。監督として、これが「あと3つ」とか、「あと2つ」になったら、さすがに意識しますが、まだまだそういう段階ではありませんわ。しかも巨人に13ゲーム差をひっくり返された08年に苦汁をなめています。勝負の厳しさを知っているだけに、覚悟を決めて戦っているのが伝わってきます。

2点ビハインドだったが3回にヤクルト先発ピーターズの不調に付け入り、逆転に成功する。近本の右前適時打で1点をかえし、中野が四球を選んで、3番小野寺がファウルで粘ってフルカウントからの9球目、右翼線に落下する逆転の2点三塁打。大山四球後、佐藤輝が右越え3ランを放った。

吉田 あっという間の6点でした。それぞれが粘っての攻撃は、今シーズンの縮図のよう。近本が相変わらずの勝負強さをみせた後、中野が四球でつないだのがポイントです。小野寺が粘って、粘って、粘ってのフライが、ラッキーなヒットになる。ヤクルトもピーターズを代えようにも、代えられなくなって、まさに阪神の粘り勝ちだった。

ヤクルトに連勝し、優勝マジックは1つ減って「17」になった。残り24試合だ。

吉田 阪神が6回裏2死一、二塁の場面で青柳に代打を送らなかったのは、彼を何とかしたいという気持ちの表れだろう。この後も西勇との2人は絶対にやってもらわないといけない投手だからだ。これから先は7回からの3イニングをいかに逃げ切るか。チームは目の前の1戦1戦を、1つ1つ勝っていくことだ。【取材・構成=寺尾博和編集委員】