開幕から勝ち星がなかった巨人戸郷に、今季初白星がついた。20日の阪神戦から中4日で6回2失点とゲームをつくり、ボール自体も悪くはなかった。具体的には、真っすぐがシュート回転するボールが少なかったし、3回2死一塁からヤクルト山田に対して、内角の膝元へ投げた真っすぐは、きれいな回転でいいボールだった。
戸郷が打たれる時は、真っすぐがシュート回転するケースが多く、右打者の外角、左打者の内角を狙ったボールが甘く入る。この日の登板ではセットポジションの時に癖を気にしてなのか、いろいろ動かしてるように見えたが、そこの問題よりも、真っすぐ、フォークの投手なので今日のように真っすぐをしっかり投げきれるかが重要だろう。
安打を打たれたボールは、(ストライクゾーンの)9分割で見れば、真ん中と高めのゾーンにかかる部分が多かった。2年連続で開幕投手を任されながら、なかなか勝てず、気持ち的に焦りなどもあって、力んでボールが高めに浮いたところを打たれたが、今日、1つ勝ったことによって、その部分でも変わってくるだろう。
復調を感じさせる投球だったが、本来の戸郷を求めるなら、力勝負にいった時に押し込めるかがポイントになる。この日は、3回に西川に高めの速球を右前にはじき返され、5回には岩田に高めの速球を左前に運ばれた。戸郷の本来の速球であれば、空振りかファウルを取りたいところ。もう少し出力が上がってくれば完全復活と言える。
巨人のエースといわれる存在で、チーム、首脳陣も求めるところはもっと上にあるだろうが、これから徐々に良くなっていくはず。守護神のマルティネスが開幕から無失点投球を続け、7、8、9回の勝ちパターンは強力なだけに、先発ローテの軸の戸郷が本来の姿に戻ってくれば、さらに安定した戦いができるだろう。(日刊スポーツ評論家)




