2年目で1軍デビューし、防御率0・00を続ける巨人森田駿哉投手(28)に注目した。2回、村上に先制ソロを打たれ初めて自責を記録したが、これは村上の方が上手だった。初球、2球目と外のスライダーが外れ2ボール。3球目にインハイへツーシームを投げた。食い込む球で、打たれてもファウルという読みがあったのだろう。決して悪い球ではなかったが、右翼ポール際へ運ばれた。左翼方向へ吹く風にも助けられたとは思うが、ファウルに切れない打ち方だった。ポイントをぎりぎりまで引きつけ、バットを内側から出していた。村上の技術とパワーが勝った。

同点に追い付いてもらい、4回先頭で再び村上と対戦した。ここで注目したのは、初球の入り方だ。私だったら、前の打席でホームランにされたインハイへのツーシームから入る。仮にボールとなっても、その1球が次に生きる。1打席目と同じく外の球から入ったら、後手後手になってしまう。そう思って見ていたら、初球はインハイへのツーシームだった。ボール球でのけぞらせると、2球目は低めの変化球で空振り、3球目は外寄り真っすぐでファウルを打たせ追い込んだ。最後は5球目、外低めのフォークで空振り三振に仕留めた。初球のインハイが効いていた。

バッテリーからすれば、打たれた球は次の打席では選択肢から消しがちだ。また打たれてしまうのでは、という心理が働く。私自身、現役の頃、そういう考えに陥った時期もあった。だが、打たれたからといって消してしまうと、球種が1つ減る。大事なのは、打たれた球をどう使うかだ。突き詰めることで投球の幅が広がるし、うまくいけば勝負球にもなり得る。

森田のフォークはブレーキが効いており、有効な球種と感じた。ただ、打者を圧倒する球で抑えるのではなく、変化球も含めたさまざまなコンビネーションで抑えるタイプ。まずは直球のキレを磨きながら、レベルアップを目指して欲しい。

その上で、気になった点が1つあった。右打者のインサイドへの真っすぐ、いわゆるクロスファイアが決まっていなかった。3回先頭で増田を二飛に打ち取った1球だけだった。5回1死二塁では内山に初球、外の真っすぐを二塁打にされ、追加点を失ったが、内にはこないと読まれ狙い打ちされたようにみえた。全体的には右打者の外には投げ切れている。内にも投げられるようになれば、得意な外の出し入れがさらに生きるのは間違いない。(日刊スポーツ評論家)

ヤクルト対巨人 2回裏ヤクルト無死、村上に右越え先制ソロ本塁打を浴びる森田(撮影・河田真司)
ヤクルト対巨人 2回裏ヤクルト無死、村上に右越え先制ソロ本塁打を浴びる森田(撮影・河田真司)
ヤクルト対巨人 巨人先発の森田(撮影・菅敏)
ヤクルト対巨人 巨人先発の森田(撮影・菅敏)
ヤクルト対巨人 4回、マウンドで汗を拭う巨人森田(撮影・菅敏)
ヤクルト対巨人 4回、マウンドで汗を拭う巨人森田(撮影・菅敏)