夏の高校野球が盛り上がっているが、オリックスの若手も球児さながらにバットを振り続けている。今季開幕直後に導入されたのが、遠征先におけるチーム宿舎での素振り。ビジター試合は球場での練習開始が遅いため、練習量の低下を防ぐのが主な目的だ。下山打撃コーチが説明する。

 「ビジターではベッドでゴロゴロする時間が多くなりがち。ウチは若い選手も多いし、まず食事前に体を動かすことも大事。技術が成熟しているベテランは別として、若手がレギュラーをつかむためには現状維持ではダメですから」

 まず午前11時ごろ、そしてナイター後にも。ホテルの駐車場などを借りて、おおむね30歳以下の選手がスイングを続ける。最初は半強制的に行っていたが、今は自主性を尊重。それでも大半が継続している。西村ヘッドコーチは「ロッテでもやっていたが、やってる選手の数は今のオリックスの方が多い」と明かす。

 成長株の5年目武田は言う。「体力的にきついですけどね。でも自分のためなんで。バットが手の一部みたいになればいいと思って振ってます」。仮に結果が残せずシーズンが終わっても、これだけバットを振ったという自信が次につながると思う。【オリックス担当=大池和幸】