首位を独走する西武の“山賊打線”が楽天をたたきのめした。先発全員安打の今季最多16安打を放ち、今季5度目の2ケタ10得点。3本塁打だけでなく、内野ゴロの間の得点など、硬軟織り交ぜた。3連勝で貯金は今季最多となる15に増やした。5月5日のこどもの日。背番号55の秋山翔吾外野手(30)が、球団タイ記録となる8試合連続マルチ安打で引っ張った。

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 今や、秋山の代名詞となった「55」の背番号。10年秋のドラフト指名後、球団から提示された時の第一印象は「重いな」だったという。子供の頃は巨人ファン。「やっぱり、55番は松井(秀喜)さんのイメージが強かった。うれしかったけど、僕はタイプが違う」。戸惑いを持ちつつも、選択肢はなかった。ぞろ目に込められた期待を背に、プロ野球人生をスタートした。

 その後の活躍は記すまでもない。15年には、プロ野球最高記録となるシーズン216安打を放った。ゴジラとは異なる、新たな背番号55像を確立した。だが「それを判断するのは、ファンや記者の皆さんでしょう。ダメなら、背番号は新しい選手のものになる。55番と言えば、で思い出してもらえるようにならないと」と隙は見せない。背中の重しは、希代のヒットメーカーの原動力にもなっている。【西武担当=古川真弥】