母の逆サプライズ? に応える1勝を目指す。

 巨人ドラフト1位ルーキーの鍬原拓也投手(22)が、6月1日から敵地大阪でのオリックス3連戦で、初めて1軍遠征に同行。現地休暇をもらった2日、奈良の実家へ帰省したが、まさかの出来事が…。

 鍬原 午前中、母に内緒で家へ帰ったら、いつも止まっている車がなかったんです。変だなと思って「どこにいるん?」と電話したら「東京の友達のところにいるよ」、「また東京で投げるなら、いったん戻るのは大変だから」と…。逆にびっくりさせられました。

 まさかの事態に予定を変更。実家近くの親戚の家にあいさつへ行った。

 母佐代子さんも観戦に訪れた5月31日の日本ハム戦で先発し、1軍デビューを果たした。最速150キロの直球とシンカー、スプリットがさえ、堂々の7奪三振。5回2安打3失点と奮闘した一方で、6四死球と制球面で課題も見えた。「緊張するとは思っていたが、マウンドに上がったらイメージと違った。1試合6四死球は野球人生で初めてだと思う。反省点、改善点は分かっているので、次は半分以下にしたい」。黒星は喫したが、1球1球全てが経験となった。

 デビュー戦後「東京ドームで投げている姿を見せられてよかった。いつかウイニングボールを渡したい」と、はにかんだ。さまざまな思いが詰まった1球を1日でも早く、待ちわびる母へ届けたい。【巨人担当 桑原幹久】