<SMBC日本シリーズ2018:ソフトバンク4-1広島>◇第4戦◇10月31日◇ヤフオクドーム

いつの間にやら10月31日のお祭り「ハロウィーン」が日本でもすっかり定着した。本来は秋の収穫祭の意味合いがあるようだが、球界最大の祭典でもある「日本シリーズ」で、工藤ソフトバンクも大きな収穫を得た。1番起用の上林がシリーズ初体験の豪快な先制2ラン。昨年、米国から古巣ソフトバンクに戻った川崎から「モンスター」とニックネームをつけられた5年目の大砲候補が大舞台で覚醒した。

ハロウィーンの夜に「モンスター」がお目覚めとは、34年ぶりの日本一を目指す広島にとっては何とも不気味だろう。自主トレを共にする鈴木も2戦連続、計3発の大当たりだが、赤く染まったスタンドの応援とは裏腹、カープは星を落としてしまった。

今シリーズ開戦前夜。上林は師匠でもある内川と広島名物のお好み焼きに舌鼓を打った。同席したのは内川と交流のある大相撲の嘉風、琴奨菊。競技は違っても同じスポーツ界で活躍するだけに、2人の力士の話に大きく影響を受けた。移動日のない地方巡業…。地方都市から地方都市へ、取り組みが終わればバス移動する厳しい環境…。巨漢男に挟まれて、何度もうなずいた。

この日も計3発の本塁打が飛び出したが、ホークスはしっかり守り勝った。セットアッパー石川を欠きながら中継ぎ陣も踏ん張り最少失点でしのいだ。初回の中継プレーでセカンド明石が本塁好返球。しっかり本塁で菊池を刺した。好守にリズムを取り戻したホークスが収穫多い1勝を手にした。【ソフトバンク担当 佐竹英治】