笑顔でベンチに戻る唐川侑己(2019年3月21日撮影)
笑顔でベンチに戻る唐川侑己(2019年3月21日撮影)

ロッテ唐川侑己投手(29)が29日、プロ12年目で初めて開幕戦のマウンドに立った。先発としてではなくセットアッパーとして。1点リードの8回からマウンドへ上がると1イニング11球を投げ、無安打1三振。「試合もいい試合だったし、お客さんもいっぱい入ってくれて盛り上がってたんでやりがいはありました」と、3万308人の前で堂々の投球を見せた。

プロ入り後、昨季8月までは、ほとんどが先発での登板だった。その18年シーズンも先発でスタート。4、5月に3連敗を喫し、7月にようやく1勝を挙げたが、翌日には登録抹消。その後、8月から中継ぎとして1軍登録されると21試合24回2/3をわずか2失点(自責1)と適性を見せた。「ずっと先発やってきたんで(先発を)やりたい思いは当然あるけど、今は中継ぎもやりたい。使ってもらえるところで、しっかり自分のやるべきことをやるのが一番大事。去年途中から中継ぎで使ってもらった。先発でやってたら最後まで使ってもらえなかったと思う」と中継ぎとしての才能を開花させ、今季はセットアッパーとして開幕を迎えた。

中継ぎのやりがいをどう感じているのか? 「毎日ゲームに入れるというのと、先発よりも毎日ゲームに入っている分、みんなとやってる感じが強いこと」と言う。21日にユーチューブの球団公式チャンネルにアップされた「唐川侑己のブルペンに接近」には、ブルペンで戦況を見つめながら「勝ちたいな、今日は何としても」とつぶやく様子が収められていた。みんなで勝利をつかみ取るという気持ちが言葉に出た。

中継ぎとして臨む今季の目標は「監督の期待に応えられるようにしたい。中継ぎを(1年間)やったことないからわからないけど、まずは50試合を目指したい」。かつて中田翔(現日本ハム)らと「高校ビッグ3」と呼ばれた背番号19は「8回の男」として19年シーズンに臨む。【ロッテ担当 久永壮真】