<日本ハム3-4ソフトバンク>◇6月30日◇札幌ドーム

ソフトバンクにとってこんなに楽しい北紀行はなかっただろう。宿敵日本ハムに敵地・札幌で3連勝。それも2戦、3戦は終盤の逆転勝利。期待の右腕、高橋純がプロ初勝利から連勝とツキまくった。チームが波に乗らないわけがない。6月は楽天に連敗(5月31日を含め3連敗)でスタートしたものの、終わってみれば14勝7敗2分け。交流戦で8度目の優勝も決めた。

「(日本ハムの)苦手意識? うーん、それはなかったよ。今年は熊本、鹿児島でも連勝していたしね」。試合後、移動のバスに乗り込む工藤監督は足を止めて笑顔で話してくれた。「高橋純も、甲斐野も途中で調子を落としたけど、何とか踏ん張ってやってきたからね。若い選手たちもしっかりみんな頑張ってやってくれていると思うよ」。そう付け加えて大きな瞳を輝かせた。

昨年は、札幌ドームで2勝5敗。それが今季は5勝1敗。対日本ハムも8勝2敗1分けと、大きく勝ち越している。確かに主力選手の故障禍には頭を悩ませているが、同時に若手台頭の「副産物」も手にしつつある。

ホークスの移動バスが出発した後、日本ハム栗山監督が報道陣に囲まれていた。栗山監督にとっては痛すぎる3連敗。肉薄どころか、力任せに戦線から蹴落とされた感じだろう。会見を終えると厳しい表情でロッカー室に消えて行った。今日から7月。球宴までは残り3カード。この調子でいけば前半でホークス「ひとり旅」の姿が見えてくるかもしれない。【ソフトバンク担当 佐竹英治】