中日松坂大輔投手(38)が7月27日のDeNA戦(ナゴヤドーム)で今季2度目のマウンドに立った。初回に1死しか取れず1/3回、打者10人に8安打8失点。21年のプロ生活で先発最短KOの憂き目にあった。

松坂は2月のキャンプで右肩炎症を起こし、2軍調整を余儀なくされた。立石巡回野手コーチは1軍復帰にもがくベテランの姿を見てきた1人。コーチ歴22年の立石コーチが5月23日にシート打撃に登板した松坂の投球に目を細めた。

「下半身がしっかり踏ん張れていた。引退する前の投手は、踏ん張れずに伸び上がる。松坂はグッと沈んでから腕がついてくる。今年は直球もよくなるんじゃないか」。同コーチの専門は守備、走塁、打撃。根尾ら若手を指導する中で、ベテラン右腕の肉体面の好調さを感じていた。「走っている姿勢もバランスが良かったな」。ベテランコーチは、これまで野手目線で数々の名投手が引退する直前の姿を見てきた。昨年以上の体調の良さは同コーチ以外の周囲からも聞こえていた。

7月16日の阪神戦(ナゴヤドーム)で1軍復帰初戦のマウンドを踏んだ。勝敗はつかなかったが、5回2失点と試合は作った。中10日で迎えた2戦目でのつまずき。8月2日時点で、ブルペンに入ることなく、松坂はナゴヤ球場で走り込みを中心に調整を続けている。

99年、プロデビューの年の流行語大賞に松坂の言葉が選ばれた。「リベンジ」。令和の時代に再び、松坂が投球内容でその言葉の意味を掘り返す日を待ちたい。【中日担当 伊東大介】