ちょっと気は早いが、来年は注意が必要だと勝手に気を引き締めている。阪神の37歳、岩田稔に関する話だ。21年、原稿執筆の際の表記が「岩田」から変更になる可能性が高い。ついつい15年間の癖で「岩田」のまま書いてしまわないよう、注意が必要な訳だ。

チームは今秋、九産大の左腕、岩田将貴投手を育成ドラフト1位で指名した。岩田姓が2人になったことで、来季も残留が確実となっている先輩はプロ16年目にして、新しい表記を背負うことになりそうだ。昨季までの傾向を踏まえれば、「岩田稔」と「岩田将」で収まるのだろう。

ベテラン左腕に以前聞いてみたところ、「みのる」という呼ばれ方は今でも新鮮らしい。小中学校の時は「みのる」よりも「いわた」と呼ぶ友達の方が大多数。大阪桐蔭高校時代は「もんま」というニックネームも持っていたという。

「中学の時に入っていた門真シニアの門真を『かどま』と読めずに『もんま』と読んだヤツがいて、そこから何故か『もんま』って呼ばれてたな。でも、これまで『みのる』と呼んでくれる人はそこまでいなかった気がするな」

関大でも「いわた」派が主流。プロ入り後も「いわた」を軸に「ガンちゃん」がたまに発生したぐらい。「みのる」と呼ぶ知人、チーム関係者は決して多くなかったらしく、来季は一気に「みのる」派の勢力が拡大する不思議な1年になるかもしれない。

今季はチームが新型コロナウイルス禍に揺れていた10月1日中日戦で7回途中無失点と快投し、454日ぶりの白星を手にした。ただ、以降は苦しい投球が続き、結局20年は5試合先発で1勝どまりに終わった。“改名”して迎えるであろう21年。通算60勝左腕の心機一転を楽しみにしている。【遊軍=佐井陽介】

育成1巡目の岩田将貴は1年目の目標を「支配下になる」と色紙に記す(2020年11月4日)
育成1巡目の岩田将貴は1年目の目標を「支配下になる」と色紙に記す(2020年11月4日)