おうち時間では、思わぬ新発見もある。新型コロナウイルスの影響を受け、16日時点で11都府県に緊急事態宣言が発令されている。大阪に住む私も、率直に言って普段通りの生活を送ることは難しくなった。体が資本のプロアスリートは練習時間を限られ、キャンプが迫る中で厳しい調整を強いられている。

ただ、そんな中だからこそ新しい練習方法? もある。オリックスの高卒3年目、太田椋内野手(19)のことだ。大阪・舞洲の球団寮で暮らしている太田は、昨シーズンあった活動自粛期間にふと自室でペンを手に取った。思いついたのは“模写トレ”だった。「時間があったので…。自粛期間に描いてましたね。普段は全然、描かないですけど。(名探偵)コナンとかディズニーも描いてましたね。習字も好きです。選択科目でやってました」。模写は天理高時代の授業で取り組んだ経験があった。キャラクターの特徴をつかみ、色の濃淡をつけ、ゆっくり描いていく。集中力を高めることに役立ったという。

ヒントは、どこに転がっているか分からない。今、世界中が新型コロナに覆われて私たちが味わっている非日常的は、きっと未来の日常に繋がっている。オリックスがキャンプを行う宮崎県でも独自の緊急事態宣言が出ている。選手たちは不要不急の外出自粛を要請された。太田のように、選手たちがどのように適応していくのか。そこにも注目している。【オリックス担当=真柴健】