西武の本拠地メットライフドーム改修工事がついに完了した。約180億円かけた3カ年計画。8日にメディア向けに内覧会が開催され、その全貌が明らかになった。

見どころは(https://www.nikkansports.com/baseball/news/202103080000635.html)でお伝えした通り。古きよき形を残しつつ、利便性に加えエンターテインメント性、プレミア感の詰まったボールパークとなった。

公式ツイッター(@nikkan_lions)でも紹介したところ、反応として多かったのは内野席を覆う高さ5メートルから20メートルに伸びた防球ネットへの不安だった。臨場感を損なわないかという心配の声がある一方で、安心・安全を担保する上では必要な“壁”。どちらも野球を楽しむ上では欠かせない要素ではある。

球団は改修計画案を練る段階でデータ解析をして、シミュレーションを行った。打球がスタンドへ向かう角度0度から30度のライナー性の当たりを打球速度、重力、空気抵抗まで計算式ではじき出した。危険度がより高いと想定されるライナー性に関しては、これまでと比較して96%防げるという結果に基づいて、20メートルのネットが採用された。

迫力あるライブ感は、球場でしか味わえない。同時に、雰囲気や飲食を気兼ねなく楽しむために、何事にも代えがたい安心・安全の確保は、運営サイドからすれば必須条件。そのバランスをどのように取るかは、永遠の課題かもしれないが、携わった人たちの思いや願いが詰まった新球場が、26日の開幕戦でいよいよグランドオープンを迎える。【西武担当=栗田成芳】