本気度が伝わる。オリックスのアダム・ジョーンズ外野手(35)が来日2年目を迎える。メジャー通算282発を誇る助っ人は今季、動きが軽快だ。

今季ここまでオープン戦11試合に出場し、打率3割6分、1本塁打、4打点を記録している。「体が軽くなれば、負担も少なくなる。いい形でプレーしていけるだろうという考えのもと、体を絞ってきた」と昨季の反省を生かした。

来日1年目の昨季は87試合に出場し、打率2割5分8厘、12本塁打、43打点の成績だった。新型コロナウイルスの影響もあり、調整が難しかった。

今季は明確な目標設定を行い、痩せた姿で来日した。顎のラインが出るほど、シャープになっており、数値を訪ねると「そこはチームの中だけの秘密にしておこうと思う。あえて数字は言いませんけど、自分なりに結構落としたと思います」と笑った。さらには「これで終わりではなくて、まだこれからも絞れるだけ絞っていこうと。去年に作ったズボンが緩くなっているので、作り直さないと」とジョーク連発の一方で「ウエートで体を鍛える必要性は感じていなかったので、ランニングしたり、家族で自転車に乗って遠出した。どちらかといえば有酸素運動系を多く取り組んだ」と真面目に回答した。

全てはチームのため。「チームの勝利こそが全ての他の細かい問題を解決していく。勝利するという一番大事なことに向けて、一生一生懸命やっていきたい」。指名打者での出場が見込まれるが、外野ノックも積極的に参加する。ファーストミットも特注し「人生で初めて。これがチームのためのオプションならば」と一塁も守る。

昨季は日米通算2000安打も達成。だが、打撃成績での数字に、こだわりはない。「今は、吉田(正尚)選手がいい成績を残せばチームは勝利に近づくという形が当然あるわけで、自分自身もそうした中でいい数字を残してチームの勝利に貢献していけるような活躍を目指していきたい」。勝ち星を積み上げることが、ジョーンズに託された使命だ。

世界的に流行してしまった新型コロナウイルス。その影響で失われた「生活」にも触れた。「アスリートとして、皆さんに日常とは違う世界を見ていただきたい。コロナが収まって、球場に来て応援してもらえたらな、という気持ちです」。異国の地でも、夢を見せる。海を越えてきたスーパースターが、「非日常」の感動を約束する。【オリックス担当=真柴健】